本気で喜ばれる出産祝いとは?贈る側も贈られる側も笑顔になる出産祝いを。 ーマナー編ー
大切な人の出産は、かけがえのない瞬間であり、新しい命の誕生を祝福する特別なイベントです。
そこで今回は、出産祝いを贈る際に知っておきたいマナーを中心にご紹介していきます。
1.出産祝いのマナー
出産祝いを贈る時のマナーってあるの?ベストな時期や避けるべきタイミング、贈り方や、訪問マナーなど贈り物を喜んでもらうために知っておきたい出産祝いの基本を3つにまとめました。
[1] 贈るタイミング 出産祝いは、出産から1週間後〜1ヶ月を目安に
産後は、”お七夜(生後7日後)”と”お宮参り”(生後1ヶ月)の2つのイベントがあり、この間の期間がお祝いを贈るのに適していると言われています。
「お七夜」・・・赤ちゃんのすこやかな成長を祈願する行事で「命名式」や「名付けお祝い」と呼ばれることもあります
「お宮参り」・・・赤ちゃんが無事生まれたことへの感謝と健康をお祈りする儀式
産後1週間はまだ入院していることが多く、親族以外は面会NGの産院も多いので退院して自宅に戻り落ち着く2~3週間後を目安に贈るのがおすすめです。
・渡すのが遅れてもOK?
お祝いを貰えることは嬉しいことなので、絶対にいつまで!などの決まりはありません。しかし、一般的に出産内祝い(お返し)を準備するのが、生後一ヶ月ごろ。そのため、出産祝いを渡すタイミングとしては、生後一ヶ月を目安にするのが良いでしょう。
[2] プレゼントと現金で迷ったら プレゼントと現金、どちらを選ぶべきかは関係性や状況、予算によって検討しましょう
・プレゼントを選ぶメリット
気持ちが伝わりやすい、特別感がある、思い出にも残りやすく、すぐに使うことができる
・プレゼントを選ぶデメリット
相手の好みやニーズに合わない可能性がある、既に持っているものと被らないか確認する必要がある
・現金を選ぶメリット
相手が好きなものを自由に購入できる、無駄がない、確実に喜んでもらえる
・現金を選ぶデメリット
気持ちが伝わりにくい、特別感がない
・プレゼントと現金の選び方のポイント
相手との関係性を考慮し 親しい友人や家族であれば、プレゼントを選ぶと気持ちが伝わりやすく、自分で好きなものを購入して役立てて欲しいと考える方は現金でももちろん喜ばれます。また、どうしても選べない、どちらかにしたけど何か物足りないかも、などでお悩みの場合は、現金とプレゼントの両方を贈るのもおすすめです。
[現金の贈り方]
出産祝いを現金で贈る時、包む金額以外にもマナーはある?贈る相手に喜んでもらうためのマナーを解説していきます。
・ご祝儀袋を用意する
出産祝いには、水引が紅白で蝶結びのご祝儀袋を用意します。金額が大きい場合は、金銀の水引でも可とされています。ご祝儀袋に「お祝い」や名前を書く際は、筆を使用しましょう。筆ペンを使用する場合は、必ず濃い墨で書くようにします。一般的に、薄い墨のものはお悔やみの場で使用されるため、お祝いには使用しません。
・新札を入れるのが好ましいマナーと言われています
出産祝いには、新札を用意しましょう。新札は、新しい門出をお祝いする気持ちを示すものとされています。ご祝儀袋に入れる新札は、肖像画が表側・上部になるように入れましょう。また 新札は、銀行の窓口か両替機にて発行が可能です。
[プレゼントの贈り方]
出産祝いには熨斗(のし)をつけるのが一般的。ですが、最近では友人や親戚など親しい間柄への出産祝いの場合、リボンを使って贈る方も増えてきています。基本的にはラッピングにリボンが付いていれば熨斗(のし)がなくてもOKです。贈る相手との関係を踏まえ、包装を選ぶと良いと思います。
熨斗(のし)を付ける場合は、表書きは「祝・御出産」「御出産御祝」「御祝い」など、お祝いの内容を明確にしましょう。そして水引きの下に送り主の名前を記載します。
・連名で贈る場合
年齢順・五十音順に右から記載します。4名以上の場合は、「○○一同」などとして団体名を記載するのが一般的です。
[現金やプレゼント・贈り物以外を贈る場合]
出産祝いに現金やベビー用品以外にも「商品券・ギフトカード・カタログギフト」などを贈る方もいます。その際は、お祝いの気持ちが伝わるメッセージカードなどを添えるとより丁寧に感じてもらえていいと思います。贈られた側も自分好みのものやその時必要なものを選べるので、喜ばれることも多いようです。
[3]手渡し?郵送?配送? 贈る相手の体調・状況を考慮し負担をかけないことを最優先に
一般的にお祝いなどを渡す際には手渡しがよいとされています。しかし、出産祝いの場合は一番にママとベビーの体調が最優先なので手渡しにこだわらなくても大丈夫。また、出産のために入院している場合は、親しい親族以外はは訪問を控えるのがマナー。ママやベビーの体調には個人差があるものなので、自宅へ直接手渡しに行きたい場合は、必ず連絡を入れ急な体調不良での日程変更があることも踏まえて理解しておくと、贈られる側のママも安心ですね。
訪問する際のマナーまとめ
・出産祝いを渡す際は、赤ちゃんやお母さんの負担にならないようにしましょう。
・入院中の場合は、病院の許可を得てから訪問しましょう。
・自宅訪問の場合は、事前に相手に連絡し、都合を確認しましょう。
・手土産を持参する場合は、日持ちするものを選びましょう。
[現金を郵送する場合]
出産祝いで現金を郵送する場合は、郵便局から現金書留で送ります。現金書留は、郵便局で現金書留専用封筒を購入しご祝儀を入れます。手紙やメッセージカードの同封もできるのであらかじめ準備して送ると喜ばれるでしょう。
[プレゼントを郵送・配送する場合]
手渡しの場合は包装紙の外側にかける「外熨斗(そとのし)」が一般的ですが、郵送や配送の場合は輸送中に破けてしまうおそれがあります。 そのため郵送や配送の場合は、贈り物に直接熨斗をかけてから包装紙で包む「内熨斗(うちのし)」にしましょう。
2.出産祝いの相場
出産祝いにおける金額の相場は、関係性や立場などによっても異ります。お互いに負担にならないよう、相場を参考にしながら金額を決めるのがおすすめ。
[1]出産祝いの金額相場
親・祖父母:3万円~10万円
兄弟・姉妹:1万円~3万円
親戚:5,000円〜3万円
友人や職場関係:3,000円~1万円
上司・年上の方:5,000円〜1万円
関係性が薄い・最近知り合ったばかりの友人やママ友:1,500円〜5,000円
ご自身がすでに贈り先の友人から出産祝いをいただいている場合は、その金額を参考に選ぶのも良いでしょう。贈られた側も「内祝い」のお返しをする場合、贈られたものがあまり高価なものだと気を遣わせてしまうことがあるため、一般的な相場内で贈ることを心がけましょう。
[2]年代で変わる場合も
学生や経済的に厳しい10代20代では、相場より贈る金額が低くなってもOK。また、それ以上の年代であっても独身か既婚かの差でも上下があり、一般的には既婚者の方が高額のお祝いをすることが多いようです。
[3]上司への出産祝いは...現金はタブー
上司や立場が上の方へ出産祝いを贈る場合、一般的に現金を渡すことは失礼にあたり、タブーとされています。ですので上司や立場が上の方、また年上の方への出産祝いは現金ではなく品物で贈り物をするのが無難です。
[4]連名はOK?
仲良しグループや職場の仲間、友人達で集まって連名で贈るのももちろんOK!集まって贈ることにより、ギフトの選択枠が増え選ぶ幅も広がります。また、このような連名で贈る場合は、ひとりあたり500円〜2,000円を出し合ってギフトを贈るのが相場です。
また、出産祝いでは、4(死)や9(苦)を連想させる凶数は避けられます。そのため、連名で現金を渡す場合は、4万・9万などの金額を避けるほうがよいとされています。
3. タブーなものはある?
基本的にお祝いの気持ちとして用意するものに「贈ってはいけないもの」はありません。が、よほどの事情や意味のない限りは「出産祝いとしては縁起の悪いもの」を贈り物としてチョイスするのは避けましょう。下記にタブーとされる品物とその意味などをまとめてみました。
刃物:縁を切るという意味合い
ハンカチ:別れるという意味合い
緑茶・日本茶:弔事にも使われる
鉢植え:根付く=寝つくイメージを想起させる
時代の流れとともに、もちろん気にしない方もいると思います。しかしその反面、気にされる方もいらっしゃるのも事実です。縁起の悪いとされているものは、贈る側から頼まれたり、よほど好きなものではない限り避けるのが無難と言えますね。
贈る側も贈られる側も笑顔になる出産祝いのルールはいかがでしたでしょうか。
ルールは色々ありますが、一番大事なのは何を贈るかではなく「贈る相手の事を考える」気持ちが大切。「おめでとう!」や「お疲れ様でした!」といった声掛けだけでも、あるのとないのとでは印象が大きく違います。出産は家族にとってかけがえのない経験であると同時に、大きな負担を伴うもの。そんなパパやママを笑顔にする出産祝いは、大切な思いのこもったプレゼントです。そして愛情を込めた贈り物は、心と体を癒し、育児の活力となるでしょう。ぜひこの記事を参考にして素敵な贈り物を選んでくださいね。